昼2時起床。寝坊。
 出社して少し仕事して、数少ない友人の誕生日祝いに食事。彼女を喜ばせたくて、銀杏並木の紅葉が美しい外苑のSELANへ。テラス席を予約しておいたら彼女は大喜び。食事はまずかったけど、満足。若い女の子の喜ぶ姿を見てニヤついてる私って、なんだかオヤジみたい。
 
 帰り道絵画館に向かって歩きつつ、はらはらと落ちるイチョウの葉を見ていたら、「もう会わない」と勝手に決めた男にどうしても会いたくなった。
 イチョウの根元に座り込んで(雨の中)、10分ぐらい携帯の液晶と格闘した後、やっぱりやめる事にしてタクシーに乗った。

 でも、タクシーの中でも悶々と考え続け、答えの出ないまま会社に到着。彼とはいろいろあったけど、今更自分が失うものなんてないじゃないか。やっぱり会いたいと思ったときに電話してみよう、素直になろうと決心し、手探りで鞄の中の携帯を探すと……ない。ない。ケータイが。

 自分のケータイに電話すると運転手が出た。「今、町田です」――って、おい。さらに、「途中でお客さん拾うかもしれないのでまっすぐそちらには行けません」。料金払うって言ってんのに、ふざけんなー! 
 一瞬、私の会社の名前出してタクシー会社の本社と掛け合おうかと思ったが、そういうことって心に余裕のない可哀相な人がすることよね、と思い直し会社でそのタクシーを待つことに。でも、今の私って心に余裕なんて全然ないじゃん。むきー。

 今日は彼に電話できそうにない。でも、それも運命なんだろうか……などと思いつつ、一人編集部で新人賞の原稿を読む私。やっぱり、私がいちばん可哀相なのか?

 
最近はまってる雑誌がある。
関西の情報誌「MeetsRegional」。
ほとんど食べ物情報誌だが、なんせ美味そうなのだ。しかも、キャッチ最高! 写真最高! ボディーも締まっててぐー! こんな面白かっこいい雑誌は、東京ではまずないね。おまけに実用的だし。
これを見たら、「ブルータス」なんて恥ずかしくて読めない。
ウチの編集部ほぼ全員が大ファンで、関西出張のたびに、バックナンバーを買いあさり持ち帰っている。
先日、東京に出張に来ていた「ミーツ」編集部員の飲み会に押しかけて、毎月雑誌を交換する約束を強引に取り付けた。今月いちばん意味のある仕事だ。

そこで本題。
原稿待ちで徹夜の朝8時、頂いた最新号を編集部でめくっていると、一枚の写真に目が止まった。先にキャプションが目に入ったのか、写真だったのかはわからない。
10年(近く)前に私の処女を奪った男が載っていた。
その男は、私と別れた半年後に結婚。私を結婚式に招待し、そこで私と付き合ってた頃の日付の入った新婦とのツーショット写真をスライド上映し、私にスピーチをさせ、新居にまで招待した男である(そんなことするなよ、私も)。
当時は経理部で領収書の精算とかやってたくせに、肩書きは“都市開発プロデューサー“とかになってた。しかも、地方誌とはいえ「ミーツ」に連載まで持っている!!!
全然忘れたと思ってたのに、急に頭がくらくらして思いっきり手に汗をかいてしまった。やっぱり、過去の辛い体験って、月日が経っても完全に消えることはないのね。

……ふと我に返って、朝8時過ぎの編集部。
憧れの出版社に就職したものの、一日20時間以上働かされ、風呂には入ってなくて頭ぼさぼさ、ノーメークで服もてきとーで、こんなことしてる間に人生の貴重な時間がどんどんなくなってるハズなんだけど、それに疑問を抱く暇もない。
こんなに働いてんのに、給料安いわ、若いってだけで雑用全部やらされるわ(雑用が嫌なんじゃない。抱えてる仕事のうえに、人の雑用がかぶさるのが腹立たしいだけ)、雑誌は売れないわで、「この仕事をやることに意味なんてないんじゃないか」とボロボロの顔を見ながら考えてしまう私。

一方、昔のサイテー男は、“若きホープ“ともてはやされ、きちっとしたスーツで爽やかな笑顔を浮かべ、奥さんと一緒に芦屋に住んでいる(本当か?)。

私は人生負けてしまったんだろうか。
こんなに頑張ってるのに。

居ても立ってもいられず、トイレに駆け込んで号泣した。土曜日の朝。天気よかったよ。

さらに同じ号の「ミーツ」で、私が「生涯で最高の夜」を選ぶときに、ベスト5に入るほどステキな時間を過ごさせてもらったバーが、法善寺横町の火事で燃えてしまったことを知り愕然。

もう、会社というか、人生辞めたくなってきた。

疲れてるときって、本当に思考がネガティブにネガティブになっていくので怖い。

 校了終了。今月はひどかったー。
 編集部の先輩とカレー食べに行くのにはまった。校了中はほかにレジャーがないから、2時間で3軒はしごとか、3杯一気食いとかやってたらむちゃくちゃ太った。でも、マメに薬飲んでる甲斐あって、にきびはいい感じ。もう、この日記つける必要ないかも。

 そう、すごく太っちゃったんです。最近の合言葉は「ストップ! こぼれ肉」。もう、こぼれてるんです、肉が。ローライズのジーンズの腰から、キャミソールの脇から……。顔がきれいになったと思ったら、今度は体がすごいことになってる。がんばって運動しよ。やっぱあれだね、20代も半ばを過ぎると食事抜いても美しく痩せないね。なんかしぼんで老けた感じ。運動して筋肉つけないと。

 あと、結局なくした原稿は見つかりました。捨ててなかった。一緒に探してくれた用務のおじさん・おばさん、ごめんなさい。

ゴミ箱行き

2002年8月8日
もう38時間ほど寝ていない。
昨日(つーか、今日)は朝7時まで仕事して、2時間ぐらい風呂に入ってすぐ出社。朝の早い老人と会って現在にいたる。あと2時間ぐらいで、大御所作家から電話かかってくるから寝れない。その前にゴミ箱に行かなきゃ。
今、社内すべての部署でかき集められたゴミは、私一人のために捨てられずにいる。私はそこに乗り込まなくてはいけない。
なぜか? それは、昨日もらった原稿を間違えて捨てちゃったから……。

モゲモゲじゃ!

2002年7月28日
 うーん、原稿が書けない。
 だから今日も出社。
 あと、原稿用紙10枚ぐらいでまとめないと……。
 今日中にできたら明日は代休とろうかな。

 昨日も結局朝4時まで執筆。でも、半分しかできず。
 彼氏と歌舞伎町で待ち合わせてラーメン。彼も仕事が忙しいらしい。CM製作会社のADなので、仕事はほとんど肉体労働。しばらく見ないうちに(会ってはいるけどしっかり見ないうちに)、えらくガテンな体格になってた。そうえば、最近やってないなぁ。
 対談まとめの神様が降りてこない。よって、土曜日も仕事。

 昨日は、やっぱり神様が降りてこないので、数少ない友人と食事。青山のスペイン料理屋。
 彼女は外資系企業のOL、いや、彼女の会社ではサラリー・パーソンというらしい。私と同い年で1000万近い年収を稼いでいるが、全然忙しそうに見えない。私に誕生日のディナーと花束をプレゼントしてくれた。彼女の趣味はサーフィン。

 彼女の家は会社から遠く、毎朝7時に家を出なくては間に合わないのだが、彼女は4時に家を出て、波に乗ってから出勤する。台風9号が接近中だった一昨日の朝も彼女は海にいた。雨の降る早朝の海岸は人影もまばら。「かなり波が高いから、今日はヤメといたほうがいいよ」という親切なサーファーを無視して、彼女は一人で沖に出る。波の高さは4メートル(私の記憶)。何度か転んでついに、彼女は「生涯最高の波」を捕えた。どこまでも続く波のトンネルを滑りぬける快感。実際には10秒程度だが、彼女には永遠に続くような時間だったらしい。

 サーフィンに興味のない私にはよくわからん話だったが、なんだか羨ましかった。男と酒にばっかかまけていてはいかんね。

 彼女と別れて赤坂のバーに。同業の男に酒とシガーをおごってもらう。彼は現在、「AV男優養成講座」で加藤鷹の指導を受けている。「何回イカせた、とか潮吹かせたとか、全然意味ないよ。SEXはやっぱ愛だ。日本のSEXを堕落させたのはチョコボールみたいなテクニック派で、加藤さんはそこにこだわらないからエライ」でも、加藤鷹って、潮の吹かせ方とか伝授してなかったっけ?「いや、加藤さん曰く、『潮を吹かせようと思ってたら、潮を吹かせることはできない』って……」どうでもいいけど、そんなことに哲学持ってる男なんて嫌だ。適当に流して帰宅。

 酔っぱらってたけど、顔だけはちゃんと洗って薬をつけて就寝。午前4時。
 今日はパーティー。各社の文芸編集屋がどっとくる。今日の私の使命は、S社のイケメン編集者と仲良くなって、同僚のために合コンをセッティングすること。気合が入る。

 でも、私はパーティーが大の苦手。すごい人見知りだから。いつもは先輩編集者のお尻にくっついてふらふらしてるだけなんだけど、今日の私には特命がある。プレッシャーに弱い私はお酒でメートルを上げることにした。

 担当作家は来ていないと思っていたけど、けっこう知り合いがいた。一度コラムをお願いした作家に御礼を言いつつ水割りを一杯。乾杯のときにビールを一杯。同じ担当作家を持つ文芸誌の編集長と直木賞の感想を述べながらワインを一杯。よく一緒の店で飲む文庫編集者と近況報告をしながらワインをもう一杯。ビンゴに興じながら水割りをもう一杯……。

 かなりメートルが上がってきたところで、ついに目標のイケメンを発見。パーティーの残り時間も後わずか、話し掛けるなら今だ。
「どうも、先日はお疲れさまでした。私、あの日はかなり酔っぱらっていたので、何か失礼をしてしまったんじゃないかと心配で。最近、お仕事のほうはどうですか……」
 などと、しょーもねー会話を5分間ほど一方的に続けて気付いた。人違いだ。しかも、相手は売れっ子若手作家だ。ウチでも書いてもらってる。きゃー、途中で真っ青になってその場を辞した。よかった、気付いたのが「合コンしましょう」なんて言う前で。

 結局、逃げるように編集部に帰り、イケメンとはろくに話もできないままだった。同僚ごめん、全然力及ばずだったよ……。
 今日は人妻官能作家と、取材と称して二丁目のウリセンバーに潜入。ウリセンに行ったことはあったけど、買うのは初めて。

 店に入ってビックリ、男の子がみんな可愛い。2時間ん1万5千円でこんな可愛い子達を好きにできるなんて、ホストクラブに投資するよりずっとお得な気が。
 人妻作家は、お気に入りの今井翼似の美少年(といっても23歳。聞けば昔ジュニアにいたらしい。以前、ジュニアをやめてから「○○クンのバースデーパーティー」などと称してパー券を乱発、月ウン百万と稼いでいた元ジュニアを取材したことがあったけど、ジャニーズもいろいろやね)を指名。
 私はと言えば、照れちゃって男の子の顔をじっくり見ることもできず、店長お勧めの子と店を出た。チラッと見ると、その子もきれいな顔をしていた。

 その後、4人で歌舞伎町の「茶茶花」で食事(期待に添えずすんません)。話を聞くと、私の行った店は、ウリセンだからといってアナルセックスOKというわけではないらしい。本番しなくてもオッケーの店だから、きれいな子が集まるのだそう。男の子はみんなノンケで、お金のために店に来る。私の買った子は、21歳の無職。競馬で200万以上の借金があって、どうにも返せないのでウリセンをやっているらしい。でも、給料をそのまま貰うとキャバクラで使ってしまうので、店長が管理して借金返済に充てている。典型的ダメ男だ。なんか、もっと他に稼ぐ方法は無いのかと思ったのだけど、彼にとっては、男性客とホテルに行って、AVみて裸で横たわっているだけでお金が貰える、気持ち悪いけど楽な仕事らしい。援交女子高生と一緒。

 人妻作家と男の子達を残して帰宅。自宅のポストに直接投げ込まれたらしい手紙を発見。

“あなたと一緒に過ごせた日々に感謝します。初夏の日差しが眩しすぎて、つい目をそらしてしまうような切なさを、きっと忘れないでしょう”

 ……バーで知り合った男からだった。4日電話に出ない間に、ずいぶん盛り上がってたんだな。電話しようかと思ったけど、めんどくさいのでそのまま寝る。私の経験則だけど、30代の男ってホントロマンチストが多い。恋愛がすごく楽しそう。私は疲れちゃっていて、振り回されるゆとりも無いのに。

 
 皮膚科に行ったところ、私のにきび大爆発は、ストレスによるホルモン異常と判明。

 ケミカルピーリングじゃ抜本的な解決につながらないので、ホルモン治療を始めることに。男性ホルモン抑制剤(なんか、悲しい。女として。)と、こんどの生理が始まったらピルを併用することになった。まぁ、酔っぱらって避妊し忘れることの多い私だから、ちょうどよかったんだけど。

 それと塗り薬が3種。昼用は白いけど、夜用はまみどり。彼氏に「ケロ、ケロ」とからかわれる。しかし、その薬がよく効く。使用1週間にしてほとんど顔のでこぼこが無くなった! この調子で頑張るぞ。

 そんな私の編集部でのあだ名は“ホルモン“。
「ホルモン、大日本に行ってきて」
「あ、そのゲラはホルモン担当です」
「ホルモン、電話!」
 こんな感じで、校了は進行中……。

全治6ヶ月

2002年7月1日
 皮膚科に行った。全治6ヶ月の重症と判明。私は一般女性の2倍の量の男性ホルモンが出ているらしい。
 前の彼氏から連絡があった。私の誕生日を祝ってくれるんだと。ねぇ、アーチ、どうしたらいいのかなぁ。2週間後のデートに向けて、すっかりダイエット計画練ってる私ですが。
 朝は寝坊した。
 最近、出社の遅いのを編集長にねちねち言われるようになったので(それでも他の編集部員よりも1時間は早い)、午前11時までに会社に行こうという目標を自分の中で決めた。でも、2日しか実行できなかった。

 会社に着くと、未読の原稿が6本。昨日4本片付けたのに、まだ6本。結局読めずに打ち合わせに出かける。

 西麻布のイタリアンで打ち合わせ。店はそこそこ。早めに解散し、よく行くバーで一人でサッカー観戦。でも、会社に戻る。

 会社で、昨日読んでいなかったせいで嫌味を言われた大作家の原稿を読んで、入稿。そろそろ帰ろう。

 帰る前に家の近所のバーで、もう一杯引っ掛けて寝るんだろうな。

 ……以上、書いておかなきゃ忘れちゃいそうな一日でした。明日こそ11時に出社するぞ。

2日断食で2キロ減!

2002年6月17日
 いやー、太った太った。

 金土日と大阪出張。「フーリガンが怖いので帝国ホテルから一歩もでません」をスローガンに、カフェで茶して、「吉兆」で夕飯食べて、「オールド・インペリアル・バー」で軽く飲んで……でも、怖いもの見たさで深夜の道頓堀に行ってしまった。そこで、別件で大阪に来ていた編集部のグルメ編集者Kと合流。どぼんどぼんと飛び込むサポーター達を尻目に、昼間は行列ができる「とんべえ」でオムソバ、お好み焼き、ねぎ焼き、そして締めは「つるとんしゃん」のうどん。軽く5000キロカロリーは摂取しました。
 
 翌日も帝国の「フライング・トマト・カフェ」でランチをとってから、別の作家の打ち合わせで「美人豚屋」の焼肉をコースで。テジカルビと3元豚が旨かった。さらに、名古屋の実家に帰って、父の日のディナーをイタリアンレストランで。

 我ながらよく食べれたもんだ。ちょっとお腹が引っ込まなくなってしまったので、昨日一昨日と二日断食。食べ過ぎたから何も口に入れなくても全然お腹がすかなかった。そしたら、あっという間に2キロ減! でも、昨日調子に乗って何も食べずに酒飲んだら1杯でベロベロ。安上がりでいいかもしれん。その代わり今日は体調最悪。ベットから起き上がれなかった。こんな頭の悪いダイエットをしていていいのだろうか。

 

 
 それは、ずばり、同じ女性の一人客に遭遇すること。

 私は昨日、新宿3丁目のバーに飲みに行った。いつも行く店じゃなくって、先日連れてってもらって忘れ物をした店。そこのバーテンはすごい美男子なんだけど(福山雅治似。以後福山)、私が到着した時点で店の中には女性客(20代後半)一人だけ。福山と女性客は楽しそうに談笑していたのが、私が来たことによって中断してしまった。私が一人で席に座ると、今度は福山が私に話し掛けてくる。そりゃ、客商売だもんね。私の背中に女性客の殺気。女性客は私の頭のてっぺんから脚の先まで目をやった後、おもむろに会話に参加してくる。
「ここにはよくいらっしゃるんですかー、私、昨日も来てたんですよー、ねぇ、福山くん」
 そんなこと知らないよ。私は酒飲みたいだけだからほっといてくれ。ちなみに、露出度の高いキャミソール着てるけど、福山のためじゃないから……といいたいのを我慢して、適当に会話。
 そこに、新たな女性客2(30代後半)登場。女性客1は一瞥して自分の勝利を確信したのか、女性客2には興味を示さない。その意図を感じたのか、女性客2も積極的に私と福山と女性客1の会話に参加してくる。けん制しあいながらのどうでもいい会話。
 そして、常連の男性客登場。
「うわ、なんかこの店、殺気に満ちてるよ。福山、大丈夫?」
 いやーん、私も一緒にされちゃった。忘れ物とりに来ただけなのに。とっととその場を辞して別の店に。
 女が一人で飲みに行くのには、たぶん、男よりはっきりとした理由がある。女同士はそれを分かってるから、距離のとり方が非常に難しい。

 今日も校了。
 夕飯食べにいったら、右足サンダルのヒールがぼこっと取れた。くっつかないので今日はこのまま飲みに行こうと思う。今日は早めに仕事終了。

 昨日は深酒しなかったので、体調はバッチシ。今日は飲むぞ。
 昨日酔っぱらわずに眠ったら、最近別れた男の夢を見た。私が今まで会った中で、一番執着している男。彼に与えられた精神的苦痛のせいで、何人の他の男に手を出して、どれだけややこしい事態になったのか、もう数えられない。男は夢の中でも、私が喜ぶようなことは何一つしてくれなかった。
 現在、彼は、「誰もが振り返るような美女」(共通の男友達談、しかも彼は、私と男が付き合っていたのを知らないので、真顔で絶賛していた)で、国際線のスッチーと麻布十番で暮らしている。ふん、どうせおいらはお腹の肉とニキビを気にしながら金曜の深夜まで仕事をしている、しがない文芸編集者さ。飲まなきゃやってられない。

 明日は彼氏とジョンスペのライブに行く。ライブ久し振り。そのあと仕事だけど。
校了が始まった。
今月は楽だと思ってたのに、正字ばかり・意味無く難しい漢字・おまけに韓国語もあり……の原稿用紙140枚に及ぶ時代小説が届いた。ルビふりで死んだ。でもむちゃ面白い小説だからいい。
著者がウチの雑誌のために、ひいては私のためにこんな面白い小説を書いてくれてうれしい。
編集者冥利ってこういうことなのかも。
でも、ゲラの読み合わせのときに、自分があまりにも漢字を知らなくてとても恥ずかしかった。

今日の夜食は先輩が日本橋で買ってきたカツサンド。話によると、時間が経てば経つほど旨くなる逸品らしい。だから、夕方買って来たのに、午前2時まで食べちゃいけないことになってる。みんな2時になるのを待ってる。


合コン小景

2002年5月21日
手元にホントに金がない。
なんと、金曜日まで1500円で生活しなきゃいけなくなった。だから、日曜も月曜も合コン。
昨日は恵比寿で合コン。相手は同業。22:00スタート。
合コンで名刺を出すと、以前はすごく引かれたが、今は全然ウケがいい。やっぱ、週刊誌記者はダメらしい。
マガハの人はすかしてた。そうしなきゃいけない社内規定でもあるんだろうか。突っ込むと喜ばれそうなので、無視。それにテレビの人、必ず名刺に携帯番号を入れるのやめてくれ。なんか気持ち悪いから。あと、この店もそうだけど、麻布のAZOOLとか、ガラス張りの中2階のある店って、外から見ても滑稽だし、中にいても気恥ずかしいし、よろしくないと思う。つまんなかったわけじゃないけど、面白かったわけでもないので1次会で帰宅。

お腹がすいたので、男に電話してご飯をおごってもらう。荒木町。先月半ばからセックス依存症のような日々を送ってきたが、このところ性欲減退気味。今日は早めに帰って、買ってきたオリジンズのバスソルトでゆっくりしよ。
 金曜の夜だというのに、遊びにも行かず編集部で精算。50万もたまっててビックリ。どうりで金ないはずだ。
 
 昨日は珍しく女友達と食事。私は本当に女友達が少ない。はっきり言って3人ぐらい。
 彼女とはいつも新宿3丁目あたりの飲み屋をぶらぶらしてるのだが、カビの生えたサラリーマンと芸術化くずれしかいないようなこの辺りに、アジア飯などを出すお洒落なカフェができたというので行ってみることに。2丁目中通をちょっと入ったところに、それは、あった。

 くたびれたルノアールを「カフェ・スイーツ」かなんかを見て、無理やり今風にしたような外観。おい、全然おしゃれじゃないぞ。外側こそ観葉植物や間接照明を使ってそれっぽくしてあるものの、中はまんまルノアール。半ズボン・口髭のおじさまが「HOMME」読んでるのが見える。BGMはMTV。怖いもの見たさで入ってみると、隣の席の男性グループの会話が聞こえる。

「あのね、検査してきたっていう子が危ないの。検査のリピーターの感染率が一番高いんだって。ほら、一度検査してオッケーだったら同じやり方を続けちゃうでしょ、生でやっても大丈夫だって思っちゃうのよ。だからスグ感染するの」

 うーん、勉強になるね。

 ところで、今日は産婦人科に行ってきた。おとといエッチしてた男が避妊失敗を自己申告したので、「モーニング・アフター・ピル」というのをもらってきた。失敗しても、3日以内にその薬を飲めば大丈夫というスグレモノ。どうせ今日行こうと決めてたので昨日は避妊しなかった。いかんいかん、SAFESEXを心がけなくては。

できちゃった婚

2002年5月16日
 うーん、今日は編集部のみんなはパーティーで出払ってる。私は電話番でお留守番。つまらん。

 私の大好きな友達が結婚することになった。できちゃった婚。半年前に私がフラれたとき、何度も朝まで一緒に飲んでくれた。映画にもつれてってくれた。バッティングセンターにも付き合ってくれた。5万のワインもおごってくれた。彼のおかげで今の元気な私があるといってもいいと思う。結婚しちゃうのは寂しい。

 今日、彼の後輩から電話があった。編集部で彼に関するエピソードを集めた冊子を作るので、なんか考えろ、とのことだった。いい話だけど、F誌は暇なのか? 何を書いたらいいんだろう? 浮気相手(社のバイト)とエッチの最中に前の彼女(社の後輩)が部屋に入ってきたこととか? 新宿の「珈琲貴族エジンバラ」で結婚3ヶ月前にセフレと別れ話でもめたこととか? 結構な給料もらってんのに、ブラックリストに載っててカードが作れないこととか? うーん、困った。ちなみに彼が指導していた後輩も同時期にできちゃった婚するらしい。流行ってんのか?
 今月はきつかった。けど、ついに校了。編集部員の表情も穏やか。誰も喧嘩しないし、会話も穏やか。月刊誌って生理みたいだと思う。緊張と緩和。
 自分のためだけに時間を使うことがすごく新鮮に感じられる(泣)。今日は誰にも気を遣いたくなかったので、誘いを断って一人で飲みに行く。ハンターから始めて、タリスカ、アベラワー、ラフロイグ、スプリングバンク……この2ヶ月、緊張でカチンコチンだった体が解されてく……って、朝気がついたらまっぱ。あぁ、またやってしまった。隣にいた男(ちゃんと知り合いだった)に聞くと、私は赤坂にずらっと路駐したベンツのミラーを一人でバキバキ起こしていたらしい。おまけに私の誕生日(でっちあげ)にその男と温泉に行く約束もしてしまったらしい。おぉ、めんどくせぇ。しかも、小ニキビ×2個増えてるし。「プレゼントは何がいい?」などと楽しそうな彼に何とか笑顔で答えながら、2時間以上は一人で飲まないことを心に誓った。
 GWは皮膚科にいくどころか1日しか休めなかった。もちろん、この土日も仕事。
 土曜は18:00に起きて20:00に出社。てきとうに仕事して24:00前に退社。玄関で前の編集部の同僚にばったり、一杯飲みに行くことに。愚痴愚痴すること1時間半。毎度のことだが、彼女は新しい出会いを真剣に探すことを私に約束し、私はごたごたした身辺をきれいに整理することを彼女に誓った。
 同僚と別れて荒木町に。同業の男?と坊さんがやっているというバーへ。もし、織田無道みたいなのが出てきたら帰ろうと思ってたら、若い人だった。蕎麦とラフロイグ3杯をゴチになる。「あっ、原稿が入っちゃった」などと、適当に誤魔化して同業の男?のところへ。ワイン2杯飲んで、男のBMでちょっとドライブして、部屋に帰る。この人はエッチの最中によくしゃべる。最初はおもしろかったけど、今日はイライラしっぱなしだったので、もう二度とやるまいと密かに決意。あんまり気持ちよくなかったから、たぶん美容効果なし。とっとと男を追い出して、彼氏を呼ぶ。
 知らない間に寝ちゃって、気がつくと彼氏が横で寝てる。太ったと思う。起こしてタリーズのコーヒーを買ってきてもらう。彼氏と一緒にコーヒーを飲んでたら、なぜかある疑問が頭に浮かんでそのまま口にしてみる。「風俗行った?」しばしの沈黙。「……どうして分かった?」ひえー、これぞ”女の勘”ってやつ? 彼氏は今まで一度も風俗行ったことのない人だったけど、根拠がなくても分かるモンなんだ、と一人感心。感心してたらむかついてきた。むかついたせいで小ニキビ×1。昔こんなことがあったら、ぶち切れて泣き狂ってただろうに、今は「へぇ、意外」の感想しか出てこない。知らない間にすごく距離ができてたんだな。そのことにびっくり。
 ところで、最近時間がなくって化粧品を買いにいけない。化粧品代に月ウン万使ってが、いまは化粧水をはたくだけ。そしたらすごく肌の調子がいい。今まで私が使ってた金って一体……

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