今日はパーティー。各社の文芸編集屋がどっとくる。今日の私の使命は、S社のイケメン編集者と仲良くなって、同僚のために合コンをセッティングすること。気合が入る。

 でも、私はパーティーが大の苦手。すごい人見知りだから。いつもは先輩編集者のお尻にくっついてふらふらしてるだけなんだけど、今日の私には特命がある。プレッシャーに弱い私はお酒でメートルを上げることにした。

 担当作家は来ていないと思っていたけど、けっこう知り合いがいた。一度コラムをお願いした作家に御礼を言いつつ水割りを一杯。乾杯のときにビールを一杯。同じ担当作家を持つ文芸誌の編集長と直木賞の感想を述べながらワインを一杯。よく一緒の店で飲む文庫編集者と近況報告をしながらワインをもう一杯。ビンゴに興じながら水割りをもう一杯……。

 かなりメートルが上がってきたところで、ついに目標のイケメンを発見。パーティーの残り時間も後わずか、話し掛けるなら今だ。
「どうも、先日はお疲れさまでした。私、あの日はかなり酔っぱらっていたので、何か失礼をしてしまったんじゃないかと心配で。最近、お仕事のほうはどうですか……」
 などと、しょーもねー会話を5分間ほど一方的に続けて気付いた。人違いだ。しかも、相手は売れっ子若手作家だ。ウチでも書いてもらってる。きゃー、途中で真っ青になってその場を辞した。よかった、気付いたのが「合コンしましょう」なんて言う前で。

 結局、逃げるように編集部に帰り、イケメンとはろくに話もできないままだった。同僚ごめん、全然力及ばずだったよ……。

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